少しずつ動くことが辛くなってきた○○さん…
私はベッドの傍で、マッサージをしながら話を聴きます。
仕事を始めて、大変だったこと
息子さんが、自分が思っていたより早くに独立してしまい、ちょっと寂しかったこと
退院に合わせて、息子さんが自宅に戻ってきてくれてうれしかったこと
イオンの中を、腕を組んで歩いたこと
息子さんが、几帳面すぎて疲れてしまわないかと心配なこと
等々
少し涙ぐむ様子があったので、部屋の引き戸をそっと閉めます。
「泣きたかったら泣いていいよ」と伝えると、
「死にたくないよぉ~。悔しいよぅ…。もっと生きてたい…」と泣き出しました。
二人で抱き合って泣きました。
しばらくして…(泣きやみ)…「あとどれ位?」と聞かれました。
人の最期がいつになるのか、ある程度予測はできても、実際にはわかりません。
そのことを伝え、
「ごめんね。……厳しい言葉になるけど、そんなに遠い先ではないと思うよ…。
何か、息子さんにしてあげたいことはある?」と尋ねると
「最期まで泣き顔を見せたくない……息子には笑顔の私を覚えててほしい!!」と、笑って話されました。
以前は、「自分でトイレに行けなくなったら病院に入院する」と言われていたので、
今のお気持ちを確認すると
「本当は、ここにいたい。息子の傍にいたい…」と言われました。
先生が部屋に入ってきました。○○さんの傍にいます。
息子さんも、動けなくなってきたお母さんを見るのは辛いと思います。
一人で介護を行っているので、疲れも出てきます。
(もちろん訪問看護師さんは細やかに手伝ってくれています。)
息子さんに、お母さんにしてあげたいことはないか確認しました。
「お風呂に入れてあげたいです」
「最期まで、ここで母の面倒をみる覚悟はしています」
「今までは、食べたいものを言ってくれていたのに、言ってもらえないのが
ちょっと寂しいです…」と話してくれました。
すぐに○○さんと相談し、訪問入浴をお願いすることになりました。